9.振り向きざま

……ぬいぐるみっていちいち洗ったりしないですしね。



○茶パンダネタ。微妙に古いネタですみません;
でも流石に知らない人はいない……ですよね？
……いや、なんていうか出すネタ片っ端から瑞貴攻めばっかりなもので、花が可哀相な目見てる気がしまして。
これじゃいかんだろというのと、いい加減甘ったるいのどうだとした結果がこれ。
逃げたわけじゃないんです！　多分。まあこういうのもありで。
こうした小ネタに関しちゃ、もう似せる手間放棄しました。

で、ちと最近やりすぎでどう思われてるか気になって、ちょっとした感想アンケート？みたいなモノ取りまして。
　・これが本来の瑞貴×花ですよね
　・せめて口直しぐらいさせたげようよ
　・いやいや瑞貴なら10倍返しするでしょう
以上三つの項目設けていたのですが。まあ、（反応いただけた方限定ですが）満場一致で一番最後に票が固まったので、おまけで『瑞貴逆襲編』な雑文なぞ書いてみたり。（でも反応見ると、むしろこっちのがメインな気がしないでもない）
興味のある方は上の選択肢に張られたリンクからどうぞ。お約束な上にくだらなかろうが文句は受け付けません（ぉ
（注：矢口…相良さんの番外参照で）

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※おまけ


　狙った通りにできたことに満足して、うきうきと鼻歌を歌うかのように機嫌よくする花だったが。まんまと（？）引っ掛けられた瑞貴が機嫌が良かろうはずもなく。
「……花」
　――まして、そのまま大人しく引き下がるはずもない。いつもより若干低い声で名を呼んで。
　いい度胸だと瑞貴が内心で物騒な考えを巡らしたことなど気付いた様子もなく、花は「？」と首を傾げて振り返る。
「なに〜？　瑞貴にも貸したげよっか？」
　そして手にはめた間抜けな顔をしたパンダの人形を瑞貴の目の前でパクパクとさせて。
　ぴきりと思い出してまた一本青筋を立てながら、瑞貴は答える。
「いるかよ。そんな余計なもん」
「へ？　わっ！？」
　余計ってなんだと問いかける間もない。なんの危機感もなくほてほて近づいてきた花の腕を人形ごと掴んで、瑞貴は力任せに腕の中に引き込んだ。そして、状況が飲めないまま腕の中で顔を上げた花に、問答無用で口付けてにやりと笑う。
「その薄汚い人形とどっちがいいと思ってるんだ？」
　ん？　と邪気たっぷりに笑うその顔に、ようやくされたこととどうやら瑞貴を怒らせていたことを悟った花は赤青白と色とりどりに顔色を変え、だらだらと冷や汗を流す。
「……や、ちょ、ちょっと待って！？　なんで怒ってるの……っていうかなにして、っていうかあの、灰人さーん！！　助け……ッ」
もがっと花は手で口をふさがれ声を封じられて。それでもなお逃れようと暴れる花を押さえ込んで。瑞貴はうさん臭い笑顔を貼り付けて灰人に向けて告げる。
「灰人。映画にいくとか言ってただろ。今からそれ見てついでに買い物でもして帰れ。2,3時間ぐらいつぶせるな？」
　なんなら朝帰りしてきても構わんぞ？　と、映画に行く相手を思い出して瑞貴は灰人に告げる。ちなみに目が笑っていないのはデフォルトで、はじめから拒否権など認める気皆無の言葉だ。
　さほど表情を変えない灰人がなにを思っていたか。おもむろに携帯を取り出して何かを2，3確認するように問いかけて頷いて。助けを懇願する目と笑ってない目にはさまれて出した答えは――
「……了解。ソファは汚すなよ。後片づけが面倒だから」
「わかってる」
　馬に蹴られるのはゴメンだと思ったのかどうか。淡々と告げられたその返事に、瑞貴は満足そうに答えて。
　ぷはっ、とようやく口を塞ぐ手に噛み付いて、口のみ拘束を逃れた花が目を白黒させる。
「……えっ、ちょ、か、灰人さん！！？」
　どう考えても不穏な空気に「行かないで下さいーーッ！！」と花が必死で絶叫しているのが聞こえていないはずはないのだが。手早く準備をした灰人は、あっさりとパタンと玄関の扉を閉める音を響かせて出かけた。いつもなら助けてくれるはずなのにどうして！？　と、花は思いかけて。そういえばそれなりに『婚約者らしく』なってから、どうもたまにからかって面白がっているような節があることを思い出す。
　大抵、それは瑞貴に向かうことが多いからあまり考えなかったけど。この状況はちょっとシャレにならない気がしてならないのは気のせいだろうか。
「あ、あのー……ミズキさん？」
　未だ身体は捕まえられたまま恐る恐る振り返った花に、瑞貴はその頤を掴んでこれ以上ないほど輝きに満ちた笑みを浮かべた。
「……さて。じゃあ邪魔者もいなくなったし、フローリングの板間と俺の部屋とどっちがいいかくらい選ばせてやるよ」
「な、何の話じゃー！」
　その日灰人が戻るまで花はきっちり瑞貴からの報復を受けることになりましたとさ。


……おわれ。

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*や、お稽古のスパルタ特訓させられただけですよ？（笑顔）＜説得力絶無＜わかってるけど事実（ぇ
まあ、結局花に向けて合掌、なオチですかとね（遠い目）
　灰人さんは律子さんと映画見に行ったのですかというコメントいただき、思わずグッジョブと親指立て。より確実にちょっぴり落としてたのから仕様変更してます（携帯かけてた相手はもち律子さんで）
　これの続き的創作⇒『たとえばそんな関係』

2007.12.28　初出　　【出雲奏司】

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